ミュージカル

「ディア・エヴァン・ハンセン」に思う10代の危うさとSNSの影響力

こんにちは。ひろりんです。

日曜日、毎週午後2時~4時に実施しているスプリームの練習が急きょお休みとなって、

少し時間が出来たので、久しぶりに映画版「ディア・エヴァン・ハンセン」を観てみました。

映画館で上映された際に既に観ていた作品でしたが、去年の8月にWOWOWで放送されて、

それを録画していたのです。(録画したまま観てなかった)

という理由で、今回は、改めて見て感じたことなどをまとめます。

作品について

ミュージカル「ディア・エヴァン・ハンセン」は、2015年に初演され、

2016年からブロードウェイで上演された作品。

現代の若者の孤独や自己認識、SNSの影響力の大きさなど、現代的なテーマ扱った作品で、

2017年のトニー賞では最優秀ミュージカル賞を含む6部門を受賞し、高い評価を受けました。

映画版は2020年から撮影され、日本では2021年11月に劇場公開されました。

evan

あらすじ

主人公のエヴァン・ハンセンは、17歳の高校生。

(主演のベン・プラットは、映画版撮影時で26歳~27歳だったので、

17歳に見えない気もするが、17歳ですw)

シングルマザーの母親と二人暮らしですが、友人もなく、社交不安障害を抱え、

薬も服用しています。セラピストから「自分自身に宛てた手紙を書く」事を勧められますが、

学校でもとにかく人目を避け、だれとも関わらないし、だれからも話しかけられない

(話せるのは母親同士が友達だというだけの仲のジャレッドのみ)

そんな日々で、自分に宛てた楽しい手紙など書けるはずもなく

(このセラピストからの課題自体がハードル高いでしょ、と個人的には思いました)

でもどうにか、気になる女の子の事なんかをちょっと書いた手紙を作り

それをセラピストに提出するために(だと思う)印刷したところを、

学校一の荒くれもので問題児であるコナーに見られ、取り上げられます。

(いじめっ子あるある)

SNSに晒されるんじゃないかと、この世の終わりのようにパニくるエヴァンくん。

ところが数日後、突然、コナーが自殺。(コナーに何があったのか誰にも分からず)

ポケットに入っていた「ディア・エヴァン・ハンセン」と書かれた手紙を見つけた両親が、

エヴァンとコナーが親友だったと誤解し、エヴァンはその誤解を訂正しようとしますが、

息子を亡くして悲しみ、なんでもいいから息子の事を教えてちょうだいと

懇願するコナーの母親を目の前にすると、本当のことを言い出せず、つい、

自分とコナーは友人だったと嘘をつきます。

最初は母親をなぐさめるためについた嘘が、どんどん思わぬ方向に発展し、

大ごとになる、というお話です。

10代の子供の危うさ

大人になってしまうと、ある程度、周りと自分とに違いがあろうが評価されなかろうが

友達が少なかろうが、そんなことを自分以外は誰も気にしちゃいないし、自分は自分、

と理解して受け入れるわけですが、10代の若者たちの「周りを気にする度」は、

異常なほどに高い、というのは、我が娘を見ていても思うことです。

出来るかぎり周りと同じであること、その場になじむこと、浮かないこと、

悪目立ちしないことに、命かけてんなー!と思うこともしばしばです。

そして、表面的には上手くごまかせていても、内面は全く満たされていない、

周りの評価と本当の自分との乖離に苦しむ、というのも、よくある事なのかなと思います。

(自分も子供の頃に多少そういう経験はあるので、分からんでもないが)

正直、エヴァンがやってることは、大人から見たら後先考えないアホなことなのですが、

高校生くらいの子が、例えば、「周りに認めてもらいたくてちょっと話を盛る」、とか、

SNSのいいねの数を求めて多少虚偽の投稿をする」、とか、

そういうことは、普通にあることかもしれんなー、、、と、感じます。

どういう人に刺さる作品なのか

このミュージカルは、万人にウケる作品ではないのかもな、と私は感じています。

「自己肯定感が高めさん」から見たら、もしかしたら

「陰キャがありえない嘘をつくだけの胸くそな話」と思うかもしれません。

今現在、エヴァンや他の登場人物と同じような”孤独”や”不安”を持っている若者、

あるいは、かつて自分もそうだった大人たち、

あるいは、そんな10代を相手にしている親や指導者、

そういう層には刺さる話なのかな、と思います。

主演ベン・プラットについて

ミュージカルですから、色んな心情を表すシーンで主演のベン・プラットが歌うわけですが、

歌がうますぎるので「そんだけ歌えたら、あんたヒーローやで?」

うっすら感じてしまうくらいに上手いです。

謝罪のシーンでは「謝罪で歌?そこは誠心誠意土下座やろ?」とチラッと気になるし、

そしてやはり、ベン・プラットの年齢が年齢(撮影時26歳から27歳)なので、

「高校生。この子は高校生よ。」と繰り返し言い聞かせないと

「いい年して何やらかしとん!」という気持ちが湧いてきてしまうので、注意が必要です。

舞台なら気にならないんでしょうけど笑

これは、「RENT」を観ながら、色んな歌に感動しながらも

「いや、家賃は払え?契約書読め?家主には契約解除権があるって書いてあるやろ?」

大人の常識が邪魔をしてくる感じに似ています笑 

あれも、舞台版だと気にならないのに、映画版だと妙に

「いや、まず家賃は払え?」ってなるのですよね。

映画版のほうが現実味を感じてしまうからでしょうかね。

私のお勧めナンバー

映画版サウンドトラックはこちらです。

アップルミュージックにも入っているので、契約のある方は無料で聴けますよ。

そして、この中で私のお勧めのナンバーはこの2曲です。

Waving Through a Window

この曲は、コロナ禍でずーっと家にいて外に出られなかった時期に私もよく聴いて、

何なら自分でも歌ってみた曲です。(音域が広すぎて低音がでなかったですけど笑)

エヴァンの心情や孤独を歌った曲で、人目につかないように日陰を歩く日々なのに、

本当は誰かに気づいてほしくて窓の奥から手を振ってる、という歌詞が、

当時のステイホーム続きの自分に刺さったのかなーと思ってます。

いろんな方がカバーしてる人気の曲。

三浦春馬さんもシンシアエリヴォ&マシューモリソンと一緒に出演したコンサートで

歌ったそうです。聴きたかったなぁ。。。

春馬くん、エヴァン役をやりたかった、らしいです。

ミュージカル界のプリンス井上芳雄さんのアルバムにも収録されています。

一応、この曲が収録されている芳雄ちゃんアルバム「幸せのピース」もご紹介

そしてもう一曲は?



You Will Be Found

孤独だった主人公に、あなたは一人じゃないよ、と

徐々に大勢の人が集まってくるというナンバー。

Oh~Ohからの色んな人の声の重なりと最後の全員で歌う盛り上がりが、

ミュージカル最高!!ってなるナンバーです。

動画配信

現在、無料配信されている動画配信サービスは無いようですが、

各社、有料レンタル視聴は出来るようです。

アマゾンプライムはこちら



DVD購入はこちら

ということで、今回は、「ディア・エヴァン・ハンセン」について語ってみました。

気になった方はぜひ、観てみてくださいね♪

おすすめミュージカルの紹介は、今後も書いてみようかなと思っています。

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