こんにちは。自分らしく自由に歌いたい、
歌好きゴスペル好きミュージカル好きのひろりんです。
本日はこちらの話題をお届けします。
第32回読売演劇大賞(後援・日本テレビ放送網)が決まりました。受賞した作品、人物、団体は以下の通り。
◆最優秀作品賞=「おちょこの傘持つメリー・ポピンズ」
◆最優秀男優賞=木場勝己
◆最優秀女優賞=岩崎加根子
◆最優秀演出家賞=前川知大
◆最優秀スタッフ賞=渥美博
◆杉村春子賞=新原泰佑
◆芸術栄誉賞=株式会社俳優座劇場
◆選考委員特別賞=「カムフロムアウェイ」
ミュージカル「カムフロムアウェイ」が、第32回読売演劇大賞、選考委員特別賞を受賞しました。
「カムフロムアウェイ」は、昨年、私も観劇して心打たれた作品です。
カムフロムアウェイとは
ミュージカル「カムフロムアウェイ」は実話に基づいた作品で、舞台は2001年9月11日、
アメリカの同時多発テロが起きた日から始まる数日間を描いた物語です。
同時多発テロの影響でアメリカの全土が空港閉鎖となったために
カナダのニューファンドランド島にあるガンダーという町の国際空港に
次々に緊急着陸する旅客機の乗客と
それを迎え入れる町の人たちとの5日間が描かれています。
人口9000人の町に、7000人もの乗客がやってくる
それを受け入れる町の人々、新聞記者、警察官、動物愛護団体の職員、パイロット、
様々なキャラクターを
たった12人の俳優陣が出ずっぱりで
椅子の位置を変えたり、衣装の小物を換えたり、上着を羽織ったりするだけで
次々に演じ分けていく、という作品です。
舞台のセットもほぼ変わらず、歌と演技だけで、観客に伝える必要があるのです。
ブロードウェイ版
ブロードウェイ版のカムフロムアウェイは、2017年のトニー賞で、
作品賞、脚本賞、演出賞、作曲賞、振付賞、助演女優賞、照明デザイン賞の
7部門にノミネートされ、最優秀演出賞を獲得しました。
特に、全米初の女性機長であるビバリー(実在する人物です)が歌う、Me and the Skyは
何度も聴いていて、聴くたびに泣けちゃう、という大好きな曲でした。
Jenn Colellaさんのカッコよき機長
日本版
日本では、2024年の春に上演され、私は4月の福岡(久留米)公演を観に行きました。
「なにこれ、アベンジャーズじゃん」と言われていた
そうそうたるキャスト陣、それぞれが普段は色んな作品で
メインキャストを演じている方々です。
安蘭けい
石川 禅
浦井健治
加藤和樹
咲妃みゆ
シルビア・グラブ
田代万里生
橋本さとし
濱田めぐみ
森 公美子
柚希礼音
吉原光夫
それぞれの役名の多さにもご注目ください。

私はブロードウェイ版を知ってから、カムフロムアウェイは観てみたい作品のひとつでしたが
●主演という立ち位置の人がおらず
●シンプルな舞台演出で
●派手な舞台装置もなく
●キャストが椅子を動かすことで場面が変わり
●同じ人がある時は町の人になり、ある時は飛行機の乗客となり
●椅子の位置が動くだけで場面が展開していく
という、まぁ、一言で言うと「華やかではない」という作品かな、という印象で
さらに英語でも歌詞がとても言葉数が多いので、
これを日本語訳で歌えるのか??ということもあり(でもレミゼなんかもそうですけどね)
日本では上演されないのかなー、、、なんて勝手に思っていましたので
日本でやる!しかも福岡に来る!???というのが、正直、意外でした。
当日、嬉しくて買った、アベンジャーズなキャストの皆様のファイル

ひとりひとりが衣装も着替えないのにちょっとした小物で色んな役に変化していくのが見事で
割と序盤から、泣きながら見守りました。
私の大注目キャストはもちろん、機長ビバリーを演じる濱田めぐみさんでしたが
セリフも歌も周りの音に埋もれず、やはりいつもどおり素晴らしかった!
この、「周りの音に埋もれずにセリフや歌詞が客席に届く発声」というのを
いつも私は注目してしまうポイントなのですが
吉原光夫さんの、低音なのに確実にセリフが届く発声にも、改めて、
やはりすごいわーと感心したのでした。
(低音の男性の声って、テレビでドラマを見ていてもセリフが聴きとりにくいことないですか?
それが一切なく、はっきりと聞きとれる発声なのです。)
そして、田代万里生さんのキャラ変の表現力もさすがでした。
表情豊かで明るいキャラクターから、帽子1つでスッ。。。と表情のないイスラム系の乗客まで
いろんな顔で演じていらっしゃいました。
実は、この作品に思い入れがあるのには、もう一つ理由がありまして、
この観劇から数か月後の8月、私は個人レッスンボイストレーニングの発表会で
この作品で一番好きな曲、「Me and the Sky」を英語で歌ったのです。
もちろん、機長コスプレで!
ちゃんと機長の帽子も肩章も取り寄せましたよ、アマゾンで笑

歌詞がめちゃくちゃ早口で言葉数も多い中、幼いころに飛行機に出会ったころから
さまざまな差別や偏見に負けずに、見事女性初のパイロットになり
充実した毎日を送っていた中で、突然巻き込まれたテロ。
自分が何よりも愛した飛行機が、Bomb(爆弾)として使われたことの絶望、
そこまでを一気に歌いあげるのは大変でしたが、やり切った!!と思えた発表会でした。
読売演劇大賞で選考委員特別賞受賞
そんな、個人的にも思い入れたっぷりの「カムフロムアウェイ」が
読売演劇賞選考委員特別賞を受賞し、キャストの皆様が授賞式に参加されている様子を見て
やっぱり素敵な作品だったな、、、と改めて感動したのでした。
舞台を観終わって、英語版のサウンドトラックを聴きながら、
ご機嫌に電車に乗って帰宅したことを思い出します。
以上、
本日は、ミュージカル「カムフロムアウェイ」についてお届けしました。
ぜひ再演して頂きたい作品です!