2025年10月5日、久留米シティプラザで上演されたミュージカル『MURDER for Two(マーダー・フォー・トゥー)』を観に行ってきました。
出演者はたった2人──坂本昌行さんと海宝直人さん。
この二人が演技をしながら歌を歌いながら自分たちでピアノの演奏(歌の伴奏)もする、しかも坂本さんは一人11役をこなす、という、とんでもない作品です。
2016年、2022年の公演は福岡には来なかったので、今回が福岡では初の上演となりました。

会場は久留米
今回の会場は福岡市内ではなく、久留米でした。福岡市の中心地(天神)から西鉄電車で40分くらいで久留米駅、そこから徒歩10分程度で久留米シティプラザに到着します。
久留米シティプラザ ザ・グランドホール(住所:福岡県久留米市六ツ門町8-1)久留米シティプラザ | KURUME CITY PLAZA
会場に着くと、ちょうど客席開場の時間でした。

まずはパンフレットを買って、グッズ販売もあるというので覗いてみると、グッズはカプセルトイ。つまり、ガチャガチャです。普段はガチャガチャなんてしないのですが、まぁ、1回やってみようかな、と列に並んで。
「500円玉あったから大丈夫だわ」と思ったら、100円しか使えなかったので、その場で両替してもらってガチャガチャ…
出てきたのは、ピアノ型のアクリルブロックでした。ピアノ型かわいい💛

全種類制覇しようとしてか、いくつも買っている方もいらっしゃいましたが、ケースの回収箱は無いようでしたので、「たくさん買ったら持って帰るの大変そう、、」と思いました😅
🕵️♀️ 作品概要
『MURDER for Two』は、2011年にアメリカ・シカゴで誕生し、オフ・ブロードウェイで高く評価された作品です。
ジャンルはミュージカル・コメディ×ミステリー。
殺人事件の真相を追う若き巡査と、次々に変貌する“怪しい人々”。
その全てを2人の俳優が演じ切るというユニークな構成で、笑いと驚きが交錯する110分です。
あらすじ
小さな町、著名な小説家アーサー・ホイットニー邸宅で彼の誕生日を祝うサプライズパーティーが始まろうとしていた。招待客が続々と集まり、部屋の照明を消してアーサーが入ってくるのを待つ。ドアを開く音がした瞬間、一発の銃声が響き渡る。照明をつけると、アーサーが何者かに銃殺されていた、、、。
現場にかけつけた巡査(マーカス=海宝直人)は、刑事が到着するまでに自分で事件を調べようとするが、招待客たちの奇妙な人物像と矛盾だらけの証言に翻弄される。(もう一人の俳優(=坂本昌行)は容疑者や町の住人など多数のキャラクターに早替わりで扮し、次々と怪しい情報や笑いを投げかける)
一体“誰が犯人なのか?” その真相を追っていくうちに「マニュアルどおりにやれば大丈夫」という自分の信条も揺らいでいくマーカス。
そして、最後に待ち構えている真実は――。
二人+ピアノ
ステージの中央に据えられたグランドピアノ。このグランドピアノが核となって、坂本さんと海宝さんが交互に、時に連弾で、物語のリズムを生み出します。
舞台は、まず坂本昌行さんと海宝直人さんが上手・下手から姿を現し客席に挨拶をします。そして、ピアノを前に立ち、二人が“どちらが先に弾くか”“どちらが主導になるか”と軽い競り合いを見せながら連弾するところから物語が始まります。
一人が演技をしている間はもう一人がピアノで効果音を出したり、歌の伴奏をしたり。ピアノで語り、鍵盤で感情を表現する。オーケストラもいないので、お互いのピアノとセリフが一体化して進むスタイルでした。
「とある事情」で、何度か演技を中断させて、素の状態になって客席に話しかけたり(お説教したりw)、笑わせたり、通常のミュージカルよりも、ライブショーという感じでした。
坂本昌行の変幻自在なキャラ変
坂本昌行さんが演じるのは、事件関係者の11役。
衣装は変わらないのに、被害者婦人、少年、バレリーナ、精神科医、夫婦……さまざまなキャラクターを、ちょっとした小物や声色・姿勢・しゃべるテンポの違いによって演じ分けます。子供を演じる時は、膝で立ったまま歌ったり踊ったり。。。これをセリフも動きも声色も全部覚えて切り替えて、なおかつピアノまで弾くのか、、、と、その労力を考えると、めまいがしそうでした。
そして、やはり元アイドルですから大勢のお客様の扱いに慣れている~笑 その“人格が切り替わる”瞬間に、そして「とある事情」で客席に話しかけるたびに、客席から笑いが起こります。
「とある事情」で客席に「次やったら罰を与えなければ!」というシーンがあるのですが、そこは福岡バージョンに変えて
「もう、肉まんに酢醤油禁止ね!!」と言って、客席は大爆笑でした。(困るわ。酢醤油は必要だわ。)
それと、町の消防士の人をやる時は、雑なトシちゃんモノマネでww 近くの席のお子様は「誰?」と言ってたけど笑 「どこ行ってたんだよ!」「うん、ちょっと、マッチんち行ってきた」とか言ってるしw 坂本君ならではのアレンジでした。
その、変幻自在ぶりがわかる動画を載せておきます。
海宝直人の的確な演技と歌唱
そして、海宝直人さん演じる巡査・マーカスは、物語を進めていくナビゲーター的存在。
コミカルな中にも誠実さがあり、感情の起伏もさすがの表現力で分かりやすく自然でしたし、やはりセリフも歌詞も聞き取りやすい!
2022年にこの役を演じることになったとき、ピアノの素養は無かった、とのこと。いやいやいや。そんな弾けるようになるもんなの??と驚きました。本当に役者さんってすごいです!
坂本さんのくるくる入れ替わる暴走的なキャラクターたちを見事に受け止め、物語を進めていくミュージカル界の至宝。
作品として、歌よりしゃべっている時間のほうが多いので、歌は少なめでした。歌好きとしてはもうちょっと歌が聴きたい気はしたけど、色んな表情が見られて、だんだん上着脱いで、シャツの袖まくって、シャツの裾がちょっとズボンからはみ出るほど動き回っている姿を見られて楽しかったです。
総評:二人だからこそ味わえる作品
『MURDER for Two』は、「登場人物が少ない=地味」というとらえ方もあるのかもしれませんが、二人っきりだからこそ、二人の演技の技量が魅力がたっぷり味わえる作品です。
最後まで笑って楽しみました。
まさに、芸達者とはこのことぞ、という坂本昌行 × 海宝直人。二人の長年の経験と鍛え上げられた技術があってこそ成り立つ舞台でした!
ということで、本日はミュージカル「Murder For Two」についてお伝えしました。
ランキングに参加しています。いいね!と思ったらこちらをクリックお願いします。